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Last-modified: Sun, 01 Jun 2014 06:20:49 JST
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ASUS PB287Q を使って安価に 60Hz の 4K を出力する

About

2014 年5月現在、最も安価に 60Hz - 4K を出力できるディスプレイは、ASUS PB287 であると思います。2014年5月31日に設営を完了し、実際に 60Hz - 4K を出力することができたので作業工程や調査記録を記しておきます。

ここでは、NVIDIA のカードと Windows8.1-64bit を利用して、DisplayPort1.2 によって 60Hz - 4K を出力しています。

このページの内容は、確かに 60Hz - 4K 出力できることを保証するものではありません。

接続方法(ケーブル・端子)について

60Hz を出すには DisplayPort 1.2 か HDMI 2.0 が必要になります。30Hz であれば、DisplayPort 1.1 ないし、HDMI 1.4 でも出力することができますが、60Hz 環境を用意するときは接続方法にも注意しておく必要があります。

ここで使用したカード

諸事情あって ATI から NVIDIA に乗り換えることにしました。加えて 4K を 60Hz で出力し、3DCG をそれなりに操作できる必要がありましたから、今回は最安で対応できるカードではなく、そこそこの値段のカードを新規に購入しました。

ディスプレイが ASUS 製ということで、それに合わせて ASUS のカード「GTX760-DC2OC-2GD5」を選択しました。今時分にカードとディスプレイ間で相性問題が発生するということは考えにくいですが、私にとっては高い買い物ですので、より慎重になった、ということです。

ここからディスプレイポート経由で 60Hz - 4K を出します。このカードを選択した理由には他にドライババージョンなどの問題がりますが、それは後に続く解説に記します。

4K に対応するビデオカード(グラフィックボード/グラボ)

公式に最大解像度が申告されていないカード、あるいは、ドライバのバージョンアップによって 4K に対応したことが明示されていないカードでは、4K 出力することができないかもしれません。新規にカードを購入する場合には注意した方が良いでしょう。

DisplayPort を搭載していれば、最低限物理的に、4K 出力に対応することができるハズが、ソフトウェア制御(ドライバ)やその他の条件によって、4K 出力することができないカードもある、ということです。

4K 出力に対応してはいるものの、公式には 4K に対応していると書かれていない、スペック情報が現在対応可能な最大解像度に更新されていない、ということもあります。とりあえず手元に DisplayPort を搭載したカードがあるならば、それを試してみてから、必要なら、新規の購入を検討する手もあると思います。

NVIDIA のドライババージョン

NVIDIA のカードの場合、ページに「4kのタイル状MSTディスプレイをサポートするには、326.19以降のドライバが必要です。」と記されていることがあります。私が今回使った GTX760 のページにもこの文面が書かれています。現在使用しているカードの最新のドライババージョン、あるいは、購入を検討しているカードの最新のドライババージョンを確認すると、そのカードが 4K 出力に対応しているかどうかを確認することができるかもしれません。ただし、2014年現在では、多くのカードがこのバージョンより新しいバージョンに対応したドライバを持っていると思います。

ちなみに1つか2つか下位のバージョン GTX750 Ti のページには 4k についての言及はありませんが、最大デジタル解像度が 4096x2160 となっています。HDMI1.4 か何かから 30Hz の 4K が出力できるのでしょうかね。私にはパワー不足なので選択には入りませんでしたが。

ATI(Radeon) 系は不明です。探せば資料は出そうですが。

NVIDIA は 4K に関する情報を多く公開しているようです。

デフォルトの DisplayPort 設定を変更する必要がある

DisplayPort にも型があり 1.1 では 30Hz までしか対応しないようです。PB287 はデフォルトでは 1.1 で接続するようにハードウェア側で設定されています。これを 1.2 に切り替えなければ、ドライバが対応していようが 60Hz が出せません。 OS 側の設定項目には 30Hz のみが表示されます。

ディスプレイ右下のメニューから「システム」を表示し「DisplayPort Stream」の設定を「DP 1.1」から「DP 1.2」に変更します。ハードウェア側の変更通知は OS 側には向かわない(ような)ので、設定を変更した後は DispalyPort ケーブルを再接続するか、OS を再起動して改めてディスプレイを再認識させます。

このことは公式に配布されるマニュアルにも掲載されています。

その他の情報

品質について

論争にならないように参考程度にしていただきたいのですが、品質に関しては想定より悪くなく、価格相応は維持されている、"気がします"。そして購入の際は TN-LCD であることをお忘れなく。過去の TN-LCD ほど大きな変化はないものの、28インチの TN-LCD なので、視線を入れる方向を変化させた時に生じる(俗にいう)色ムラは、肉眼で十分に認識できてしまいます。

私の場合にはドット欠けが見当たりませんでした。これだけ素子があれば1つくらい落ちてそうですが、最近は量産品でも落ちにくいのですかね。

良いと思ったのは画面の上下方向への調整がスムーズに行ったことです。高価格なディスプレイでは当たり前なのでしょうが、思った以上にぬるぬる動きました。調整はし易いです。ただロックするためには外部から部品を差し込んでフックする必要があり、そのフックは外しにくい、という荒も目立ちますが、まぁそこは価格相応です。

"画質"を気にする方は実際に他の 4K ディスプレイが併設されている店頭やイベントで確認することをお勧めします。

発色

"画質"というと誤解を生みそうです。私が気にしたのは発色です。緑の識別ができるかどうか、黒が沈むかどうかを見る限りでは、粗悪品には見えません。

もうこの辺りの検証はテストパターンの種類、部屋の証明状況、ディスプレイの設定に依存してしまいますし、私はカラーマネジ・コレクションを専門とする人間ではないから確かなことは言えません(立派な眼も持ち合わせていませんし)。ソフトウェア的にもハードウェア的にも調整できるので、遊ぶことを目的として購入するには十分といった感じです。自分の好みにさえ調整してしまえば、色ムラを除けば、多くの場合はごまかされると思います。

ただし、諸事情あってプロユースされる 4K ディスプレイを多く見ましたが、それと比べると質が落ちていることは素人目でも分かります。