日本語のコメントを記述できるようにする
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Processingでは「//」や「/**/」といった記述を用いてプログラムとして動作させない文を記述することができますが、多くの場合、日本語などの文字は文字化けしてしまいます。ここでは原因や詳細は割愛して、日本語のコメントを記述できるようにする方法について解説します。
ここではWindows環境下で、Processingのバージョン2.0と、その標準エディタを扱う場合を想定しています。その他の環境下ではここで扱う内容が適切であることを保証できません。
HowTo
設定ファイルの確認
ProcessingEditor(IDE/エディタ)には、その動作を設定するためのファイルが用意されています。まずはそのファイルの置かれている場所を確認します。日本語コメントを記述できるようにしたいProcessingEditorを起動します。その後、メニューから「File>Preference」を選択してProcessingEditorの設定項目を開きます。
開いたウィンドウの最下部に「More preferences can be edited directly in the file(日本語訳:より多くの設定項目は次のファイルから直接編集することができます)」の記述を見つけてください。標準では灰色の文字で記載されています。記載されたファイルを編集することで、日本語のコメントを記述することができるようになります。
多くの場合、設定ファイルは「C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Processing\preferences.txt」であると思います。AppDataフォルダ(ディレクトリ)は隠しフォルダなので、エクスプローラに直接打ち込むか、隠しフォルダを見えるようにする必要がある点に注意してください。ここではそれらの方法については割愛します。
設定ファイルの編集
設定ファイルの編集には慎重になる必要があります。設定ファイルを誤って編集して保存した場合、ProcessingEditorが起動しなくなるか、予期せぬ動作を起こす可能性があります。設定ファイルは編集する前に複製し、適当な場所へ保存しておくことを推奨します。
設定ファイルを編集する前に、必ずProcessingEditorを終了しておく必要があります。忘れずに終了しておきます。
設定ファイル「preferences.txt」が見つかったら、テキストエディタなどからファイルを開きます。開いたファイルから検索機能などを利用して「editor.font」を検索します。Processing2.0では、14行目に記述されているようです。
該当箇所は、初期状態では「editor.font=processing.mono,plain,12」と記述されていると思います。ここを書き換えることによって日本語のコメントを記述できるようになります。またフォントの外観も変更されます。意味としては「=」の次のフォントを利用する、といった設定が記述されています。
日本語のコメントを残すためには、日本語のフォントが含まれるフォントを指定してやる必要があります。つまり初期状態で設定されている「processing.mono」というフォントには、日本語の文字、たとえば「あ」という文字が含まれていないため、表示することができないのです。ここではWindowsで標準的に扱われている日本語フォントを指定してみようと思います。
「editor.font=processing.mono,plain,12」を「editor.font=MSGothic,plain,12」のように書き換えます。するとエディタ上であつかわれる文字が「MSゴシック」に変更されます。ProcessingEditorを再起動して、日本語のコメントが記述できるようになっているかどうかを確認してください。
Caution
注意する点がいくつかあります。
日本語や全角フォントでプログラムが組めるようにはならない
設定を行うことで日本語のコメントは記述できるようになりますが、全角文字(aではなくa)や日本語でプログラムが記述できるようになったわけではありません。プログラムはあくまで半角英数文字で記述する必要があります。
日本語が読めるのは設定したProcessingEditorだけ
日本語のコメントが記述できるようになった(文字化けしないようになった)のは設定を行ったProcessingEditorだけです。例えば設定を行ったProcessingEditorで記述したプログラムを、設定を行っていないProcessingEditor上で開いた場合には、日本語の文字は文字化けします。その場合、文字化けするProcessingEditorも同様の設定を行うことで、日本語が記述されたプログラムを文字化けなしで読むことができるようになります。
もしもProcessingEditorが起動しなくなったら
もし設定ファイルを編集することでProcessingEditorが起動しなくなったら、あらかじめ複製しておいた設定ファイルを上書きして元に戻します。そうすることでProcessingEditorは再度設定前の状態で起動することができるようになるでしょう。
もしも設定ファイルの複製を怠っていた場合などには、それまでに書いたProcessingのプログラムをいったんすべて別の場所に保存して、再度Processingをダウンロードしなおすしかありません。
その他の日本語フォント
「MSゴシック」の他に、例えば"MeiryoUI"と記述することで「Meiryo UI」フォントが利用できるようになります。
編集するファイルを間違えないこと(高度な内容)
Processingの設定ファイルは同じようなものがもう一つあります。ProcessingEditor(Processing.exe)のあるフォルダ(ディレクトリ)の中にある「lib/prefernces.txt」です。こちらもProcessingEditorの設定について記述されているファイルですが、こちらのファイルを編集しても、多くの場合には設定は変更されないでしょう。もしもProcessingのPreferenceメニューからこちらのファイルが設定ファイルとして表示されている場合には、編集した設定は変更されます。